【再掲】商業RPGメーカーは「選択の余地」が多いインディーズRPGから大切なものを学ぶべき。 - 考察・雑記
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【再掲】商業RPGメーカーは「選択の余地」が多いインディーズRPGから大切なものを学ぶべき。

2021/02/06 編集
考察・雑記
ゲーム コラム
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最近、レトロゲーのRPGをやらなくなった

ここ数年、なぜかレトロゲームの一本道やレベル制のRPGに食指が伸びません。名作と言われているドラクエやFF、クロノトリガー、ガイア幻想記とかラストバイブル3なんかも、なんとなく食指が伸びません。それはなぜか?結局、最終的にゲームは

「自由度が高いほうがいいけど、何をやるかわからない状況には置いて欲しくない」

というワガママな結論にたどり着きました。

・フリーシナリオのほうが面白くなった
・スキル割り振りや成長システムのRPGばかりやっていた
・だけど放り出されるのは嫌い


ワガママなおじさんですねえ(笑)。どうしても「王道」と呼ばれるほぼ一本道のRPGはやる気がしないのです。寄り道ができたり、できるだけ本筋以外のサブシナリオが充実しているほうがやりごたえがあります。



「選択の余地」がRPGを幅広くする


特にスキル制はググッと引き寄せられますねえ。それは「選択の余地」を残してくれているからでしょう。使い古された感のあるこれらのシステムですが、やはりいいものです。キャラクターを自分好みに育成できるというのは自由度を高くします。そこへいくと、昔のドラクエやFFは初心者にはいいけれど、熟練者にはどうにも物足りなくなってしまうのです。

当事はそれが精一杯だったと言われればそれまでなんですが、ロマサガど真ん中を走ってきた世代の私にとって、「一本道王道RPG」はもはや過去の遺物と化してしまっています。それなら最近のフリーゲームのRPGで良いものを選んでプレイしたほうが楽しめます(例:月夜に響くノクターン、らんだむダンジョン等)。

「選択の余地」が充分にあるフリーゲームRPG(の一部) 


■月夜に響くノクターン Rebirth
月夜に響くノクターン Rebirth

成長システムはスキル制でレベル制ではない。アイテム辞典が充実していてアイテムコンプにもピッタリ!錬金調合により新たなアイテムを生み出せるシステムもある。

月夜に響くノクターン Rebirth ダウンロードページ



■らんだむダンジョン
らんだむダンジョン

恐るべきはそのアイテム数。武器防具はレアアイテムも含めてなんと約1000種類!宝箱の中身はすべてランダムで抽選される。全てのアイテムはキーボードのAキーで個別の解説を見ることができる。戦闘はシンボルエンカウントで2D戦闘。目的は(一応)ダンジョンの最下部にいるボスを倒すこと。本シナリオクリア後には裏ダンジョンへ行けるようになる。

・らんだむダンジョンのダウンロードページ(公式ブログより)
落ちてるみたいなので、パッチ場所などを…… : はむすたブログ


■ウィザードリィ風
WIZ風

あの名作ダンジョンゲームのオマージュ。宝箱の中身はランダム、160種以上のアイテムが登場、転職あり、レアアイテムあり、隠し職業あり・・と、まさにウィズ。淡々と地味にウィズみたく進めたい人はぜひ(下記ページより)。

無料ゲーム ウィザードリィ風,ウィズダンジョン



■ネフェシエル
Nepheshel(ネフェシエル)

主人公は記憶がない青年というシンプルな設定ながらも、システムは超自由度ダンジョン探索型RPG。ダンジョンは地下で複雑に繋がっており、どこをどう通ればどこに出るか、実際に歩いて確かめるしかない。一本道のシナリオがない自由度の高さがウリ。強い敵がいるダンジョンに行き、シンボルエンカウントせずに走って突っ切ることも可能。

Nepheshel(ネフェシエル)
(フルパッケージ(自己解凍形式/約16M)のほうをダウンロードしてください。



■「Ruina 廃都の物語」
廃都の物語

4人の主人公から4つの成長環境を選択でき、ゲームブックのような展開で話が進むシステムが斬新。マップを埋めていくときには「ランタン」や「つるはし」といったアイテムを活用し、洞窟内を探検することがおもな目標。仲間も集められ、もちろん敵との戦闘もあり。主人公の名前・顔・戦闘BGMは自宅で変更可能。「文字表示速度」、「カーソル速度」「ヒント機能のON/OFF」などが自由に変更できるので、かゆいところに手が届く親切なゲーム。

Ruina 廃都の物語:無料ゲーム配信中! [ふりーむ!]



シンプルだがやりこみ要素が多いゲームを求む


どのゲームにも共通するのは、

「シンプルだがやりこみ要素が多い」「プレイヤーによる選択の余地がひじょうに多い」、「ストーリーやグラフィック1本だけに頼っていない」

ことが挙げられます。「そんなの、時間に制約がない個人制作だからそこまでのものができるんだ」という意見もあるでしょう。

しかし、本当にそうなのでしょうか?商業ベースならなおさら、納期の問題もあるでしょうが、中には不出来なゲームをごまかすために、音楽やグラフィックで「ごまかしている」ゲームもたまに見かけます。

ボイスがくぐもっていたり、本当にグラフィックだけだったり、ストーリーが破綻していたり、一本道で「選択の余地」がなかったり・・・。例を挙げれば枚挙にいとまがないほどです。

乱暴な意見ですが、ハードの性能が上がりすぎたことが、ひとつの原因ではないかと思うんですよね。ハード性能が上がればそれだけキレイなグラフィックも使えるし、音楽も素晴らしいものが使える。でも、肝心の「中身」の部分の容量が足りていない。それなら制約がある携帯機に移行して作ったほうが、ユーザーの望むものができやすいのではないでしょうか。

最近、私はSwitchを買いましたが、むしろ、インディーズソフトのほうが開発側がのびのびと作っているような・・そんな印象さえ受けるのです。それならいっそのこと、メーカーはこぞって、「制約があるハード」での開発をしてみたらどうでしょうか。要するに「やりたいことが全部できるハード」だから、余った容量を埋めるために余計なものを詰めこもうとするのでは?「これだけしか入れられない」となれば、考えて考えてその要領内に収まるように、なんとか試行錯誤するのではないでしょうか。

よく言われることですが、「ファミコンは限られた制約があったから、各メーカーがあれだけのゲームを出すことができたんだ」というもの。

現在のようにハード会社が分かれているという状況でもありませんでしたから、各メーカーはファミコンというプラットフォームに大挙して押し寄せました。そこで試行錯誤して名作と呼ばれるゲームを作ったのです。やはり「容量制限があるほうが、試行錯誤して良いゲームが生まれやすくなる」・・というのは私の都合の良い考え方でしょうか(笑)。

戦闘にストレスを与えない


さて、商業では私のイチオシである「エルミナージュ」や「エルミナージュ2」は「どのダンジョンから始めてもいい」という「選択の余地」があるため面白いのです。ジルオールもそうですよね。選択の余地があってフリーシナリオ。そして欲を言えばスキル割り振りができれば文句なしです。

・フリーシナリオ
・選択の余地があるシナリオ進行(進め方がひとつではない)
・スキルポイント割り振り
・ストレスフリー

さて、ここまで「選択の余地」を語ってきたわけですが、もうひとつ大事なことがあります。RPGのみならず、ゲーム全般で最も大事なこと。それは「ストレスフリー」だということ。当たり前のようですが、意外とできていないゲームが多いです。バイオハザードではそれを逆手に取り、ロード時間を「扉の開閉」に当てることでデメリットをメリットに変えました。RPGにおいてはこと、この「ストレスフリー」の要素が重要です。

・マップから戦闘への切りかえ時間
・全体的なロード時間
・戦闘中の攻撃モーション等の長さ

これらを見直すだけで、そのゲームの評価は一変します。もしあなたが購入したゲームで、グラフィックも音楽も良く、戦闘もカッコイイ。だけど戦闘に入るまでの時間が長く、攻撃モーションも長く、魔法の詠唱アニメーションなども時間がかかる。これではストレスが溜まるばかりです。

私も遊びでゲームを作ったことがあるのでわかるんですが、やっぱりRPGで大事なのは「戦闘にストレスを与えない」ということです。RPGと戦闘は密接な関係なので、そこをないがしろにしてはユーザーが離れます。戦闘時のアニメーションやボイスばかりが目立ち、肝心の戦闘テンポがおろそかになっているゲームってすごい数があると思うんですよ。

「洞窟物語」移植や「天穂のサクナヒメ」にみる「ファンに愛されるゲーム」<


納期や時間に縛られない個人制作のゲームの中には、商業を超えるものもたくさんあります。「制約がない」ぶん、好きなだけ時間をかけてゲームを作れるからです。そういうゲームに出会ったときの感動は言葉では言い表せません。既存メーカーも納期などの問題はあるでしょうが、近年Dsiに移植された「洞窟物語」の人気を見習ってほしいなと思いました。

だからリリースから7年が経ってもなお、こうしてお金を払ってくれるファンがいて、イベントを開けばお台場のイベントハウスが軽く満員になっちゃう「洞窟物語」は、本当に本当に幸せなゲームだと思う。
「洞窟物語」の知名度は今のところ、その評価ほどには高くはない。しかし今後もっと多くの人がこういう「幸せなゲーム」を知り、楽しんでくれるようになれば、きっとゲーム業界の未来は今よりずっと明るいものになっていくはずだ。

洞窟物語

凄いゲームは百年たっても超楽しい。「洞窟物語」が世界中で支持される6つの理由
開発室 Pixel(制作者HP)
Pixel - Archives" target="_blank" title="「洞窟物語」ダウンロードページ">「洞窟物語」ダウンロードページ

洞窟物語の作者、天谷大輔氏は制作に5年もかけ、しかも一旦は完成していたものをまた作りなおすというのは商業ベースでは考えられません。納得のいくまでトコトン作りなおす。そしてこれでもかという年月をかけて世に出しました。

話題となった「天穂のサクナヒメ」もそうです。あの作品を見たとき、誰もがインディーズとは思わなかったでしょう。これも制作期間は5年。コミケで任天堂の人に声をかけられ、うちで出しませんかと言われた伝説をお持ちです。


しかしながら、あのゲームは普通のゲームメーカーでは通らない案だったでしょう。普通に考えて「農業アクションRPG」とかギャンブル要素強すぎますもんね…。でも、それを形にして世に出して大成功をおさめた制作者様には尊敬の念しかありません。

商業ベースのゲームでも、長年、ファンに愛されるゲームを作ってほしい。ゲーマーとしてのお願いはそれだけですね。

まとめ アップデートによる「残念▶名作」の流れ


Switchの登場により、携帯機モードでインディーズゲームをたくさん楽しむことができるようになりました。これはとても嬉しいし、ありがたいことです。

大手のゲームメーカーとはまた違った方向性でつくられた魂のこもったゲームが次々とリリースされて、もはや消化することができないぐらい多くのゲームが世に出てくるようになりました。

大手のメーカーは予算も人手も莫大な規模になっており、「失敗ができない」レベルになっていますので、なかなか冒険することはできないのかもしれません。

ただ、洞窟物語やサクナヒメに見られるような、「納得がいくまで作りこんだゲーム」は納期に縛られる大手よりはインディーズや個人制作のほうが出やすいのかなと勝手に思っています。

最近は巣ごもり需要もあり、ゲーム業界も盛り上がってきています。次々と新作をリリースするよりは一本のゲームを出して、それをアップデートしていくスタイルが望ましいのかもしれません。アップデートによって名作に生まれ変わるゲーム。最近では「真・女神転生3HDリマスター」や「ダービースタリオン」がそうです。




納期にはリリースしておいて、後でアップデートによって補強していくゲームが出てきたことは、ゲーマーにとって嬉しい時代に突入したといえるでしょう。リリース直後は残念な出来でも、後になって名作になる可能性があるゲームという、これまでになかったパターンが登場したことによって、RPGだけではなく、ゲーム業界全体が今後も活性化していくことを僕は楽しんでいきたいと思います。


※この記事は過去記事を修正・加筆したものです。
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Ken
Admin: Ken
1977年生まれのファミコン世代。好きなゲームジャンルは主にRPGとアクション。基本的にコンシューマゲーム中心にプレイ。小学6年生のときにハマった新日本プロレスを現在までこよなく愛す。好きな選手は棚橋弘至と内藤哲也と小島聡。
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