

2010年10月、宝島社より発売された同書を文庫化したものです。
この本は「GK」こと、金沢克彦氏がその取材において、新日本プロレスから離れた人たちの「今」を取材されておられます。小原道由、片山明、大矢剛功、栗栖正伸、越中詩郎、大谷晋二郎といった面々がその思いの丈を話しています。
やはり金沢さんの文は「読ませる」オーラをこれでもかと出しています。特に私は三銃士世代であり、片山さん、大矢さん、栗栖さんなどはお名前を知っている程度。しかし、まったく知らなくても読ませる力があるのはさすがです。
特に大矢さんが私の地元、北海道を主戦場とするプロレス団体、「北都プロレス」のコーチをされていると知ったのは驚きでした。全然知らなかったものですから。なんだか身近に感じます。しかもトレーニングもカール・ゴッチから教わった昔ながらの新日本式というのも、昔の新日の血が脈々と流れているんだなあと思った次第です。
何よりも、現在というかファイプロで他団体選手として名前が挙がっているレスラーたちが驚くほど「元・新日本プロレス」であるという事実を知らなかったので驚きました。ミスター・ポーゴ、グラン浜田など、私はファイプロやプロレス名鑑などを通じて顔を知っている、もしくは他団体に行ってからの彼らしか知らなかったので、新日本プロレスがどれほど大きな団体だったのかということを思い知らされる感覚でした。
越中詩郎、大谷晋二郎といった元・新日本プロレスの人たちがどのような思いで古巣を飛び出し、新天地を求めるに至ったのか。金沢さんに執筆を依頼したK氏の「地獄の手法」。
徹底的に取材をして、相手の言葉から真実を引き出し、当時の歴史を遡りながら、そこに筆者の体験、その選手との関わりも交えて文章化する。
P.361-「あとがき」から引用
この手法があるからこそ、読み手にもダイレクトに伝わる文章が目に飛び込んでくるんだなあとつくづく思ったものです。
約360ページ以上にも及ぶ大ボリュームのこの作品は、新日本プロレスという大きな家から飛び出した息子たちの人生を文章化した、氏でなければ書けない一冊です。新日本ファンはぜひご一読を。
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