
握手会、店舗特典、懸賞特典を一切なくし、純粋に音楽CDだけを販売すると結果はどうなるのか?この決断は現在の音楽業界に一石を投じる結果となるでしょう。ゴールデンボンバーがそれをやってのけました。.
結果は…
売上は3分の1になった
前回のシングル「101回目の呪い」は発売第一週目に約15.8万枚の売上。
そして前々回のシングル「Dance My Generation」は発売第一週目に約12.5万枚の売上。
今回の「ローラの傷だらけ」は発売初週の売上が約4.3万枚。
ゴールデンボンバーは「売上が前回の5分の1ぐらいになるのではないか」と思っていたようですが、実際には3分の1ほどに。そして、リーダーの鬼龍院翔さんはこう感想を述べておられます。
誤解を恐れず言うと、僕たちのCDの売り上げ枚数でいうと音楽は特典に勝てない。
特典握手会付きの無音CD(ローラの一月後に発売しようと提案したが通らなかった)を売っていたとしたら
確実に今回の4.3万枚を上回っていたと思います。
ローラ発売一週間|ゴールデンボンバー 鬼龍院翔オフィシャルブログ「キリショー☆ブログ」Powered by Ameba
明らかに、握手券や特典などでCDの売上を伸ばす現在の音楽業界に対するアンチテーゼです。これってかなり悲しいことなんですよね。
現在はiTunesもありますし、Amazonでも音楽のダウンロード販売が始まっています。だからダウンロード数とか全ての数字を加味した上で「本当の売上」を出さなければいけないのですが、CD売上だけを見ていてはいけない時代なんですよね。
特典で売るっていうことは、自分たちの音楽に自信がないと言っているようなもの。それを全て廃し、純粋に音楽だけで勝負したらどうなるのかを公の場で実践したメンバーの方々には感動しました。
音楽で食べている人からすれば、特典とか握手券で釣って音楽を売って、それでいいのかという思いがあったことでしょう。私も1990年代のCD全盛期にヒットチャートの音楽を買いまくったひとりとして、それは感じていました。売上を伸ばすために特典をつけ、握手券をつける。それが果たして音楽にとって本当に良いことなのでしょうか?
音楽とは人を感動させ、涙を流し、ときには笑うような心に訴えかけるものであるはずです。この決断と結果は、音楽業界に波紋どころか衝撃を与える結果となるでしょう。
これだけ音楽を聴く方法が多様化した現代で、音楽CDだけを売って生き延びる時代は終わったのかもしれません。あれはネットもなにもない時代のことであって、配信や動画サイトなどで好きなだけ好きな音楽を聴く環境が整っている現代では、ライブで稼ぐしかないと言われています。
だからこそ、CD売上だけで判断するランキングはやめたほうがいいと思っていますし、出すならダウンロード数を加えて総合の数字をちゃんと出して、ガチンコで勝負すべきだと思います。それでこそ対等な勝負の場ということが言えるのではないでしょうか。
日本のCDも高いですけどね…私は大学時代、ずっと洋楽を聴いていました。それは「安かったから」です。輸入盤を買えば日本の半分の価格でアルバムが買えたからです。ですから、
日本のCDシングルも1曲200円ぐらいの価格で販売すべきだと思います。たとえばCDショップに1曲ごとに買える機械を置き、MP3プレーヤを持って行ってコインを入れて曲を単体で買えるようにして、買ったらその場で備えつけのUSBをつないでダウンロードさせるとかしてみたらどうでしょう。ショップに行く理由ってパッケージを見ながら選ぶのが楽しいし、音楽を試聴するため、そしてこの場には自分と同じ音楽ファンがいると確認しに行くためにあるんだと思ってます。私はもう長いことショップには行っていません。それはショップに行く理由が見当たらないから。これはショップ側も何かしらの起爆剤なりを考えなければ、昔のようにCDショップに人が戻ってくることはないでしょう。
音楽に特典をつけることを悪いとは思いませんが、今回、ゴールデンボンバーがやったことは、あまりにも商業主義がはびこる業界への反発であり、非常に意義のある実験だったと思います。
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