宮本茂氏と養老孟司が対談。ゲームの根源的なおもしろさとは? | AMGブログ 宮本茂氏と養老孟司が対談。ゲームの根源的なおもしろさとは?:AMGブログ

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宮本茂氏と養老孟司が対談。ゲームの根源的なおもしろさとは?


      [ 2010/09/07] ゲームその他 考察・雑記 編集

京都国際マンガミュージアム シンポジウムレポートより



この対談では、「ゲームのおもしろさ」について養老孟司氏が「昆虫採取に似ている」と語りました。

「やり始めるといろいろな虫を集めたくなるし、習性も調べたくなる。そして、それを人に広めるのも楽しい」。


なるほど。いろいろな虫を集めたくなるというのは、アイテムコンプに近いものがあると思いますし、習性を調べるというのは、敵の弱点やキャラの特性を把握し、それをいかにプレイにつなげるか、というおもしろさにつながってくると思います。

個人的な意見になりますが、私は、ゲームの根源的なおもしろさを出すには

 ゲームで育った人がゲームをつくるべきではない
 むしろゲームが「大嫌い」という人を開発に入れるべき
 日常生活の中にある「発見」をゲームにつなげる


という3点について提案したいと思います。私はいちプレイヤーであり、クリエイターでもないので、偏った意見になってしまうことを先にお詫びしておきます。


 ゲームで育った人間がゲームをつくるべきではない

これは、ゲームで育った人が新たなゲームをつくろうとすると、過去にプレイしたゲームが記憶の片隅にあり、無意識のうちにそれを踏襲してしまう可能性があるのではないかと考えているからです。端的に言えば、

「ドラクエ、FFで育った人間は、それ以上のものはつくることが難しい」


と思っています。事実、「どこかで見たような作品」があふれ返っているのも、そういった「過去作の記憶」が頭のどこかに埋めこまれていて、新たなゲームをつくり出すことが難しくなっているからではないでしょうか。

この論理は、RPG、格闘、ADVに当てはまると思います。それらのジャンルの基礎はFC、SFC時代にすでに完成しており、これ以上、システム面を強化させる必要がないところまで来ていると感じるからです。アクションやシミュレーション、脳トレのようなバラエティゲームはまだまだ成長の可能性があると思います。

一時期、一般層をターゲットにした「Wii Fit」は大ヒットとなりました。あれはもはや「家電」の域でしたが、意外とヒントは身近にあるのではないでしょうか。

Wiiフィット プラス(バランスWiiボードセット)


「いまの時代、ゲームやってない人なんてあまりいないだろう。
それじゃあ、みんながダメになるじゃないか」


こういった声が聞こえてきそうですが、そうではありません。実体験が少なく、ゲーム「しか」やってこなかった人はおもしろいゲームをつくることができないのではないかと思うのです。


 むしろゲームが「大嫌い」という人を開発に入れるべき

ゲーム好きがゲームをつくる、というのはありますが、「ゲーム嫌いの人」にゲームのアイディアを出してもらったら、どういったものができるのかを一度試してみたらどうかなあと思います。

「ゲーム?そんなの子どもがやるもんだろ」
「ゲーム?オタクがやるもんだろ?」
「ゲーム?時間のムダだろ」


そういう人に「じゃあ、どんなゲームなら、子ども向けにならず、オタク向けでもなく、時間のムダにならないと思いますか?」と聞いてみることを提案します。開発チームにそういう人がいるだけで、ずいぶん違うと思うのですが。

上記の論はあくまでも例えであり、つまるところ「普遍的な価値観を根底から壊す人間」が、ゲーム会社に一人はいても良いと思うのです。アウトロー的な人材というか。ゲーマーがゲーマー向けにつくった作品は、ゲーマーにしか受けいれられません。

極論になりますが、渋谷で歩いているギャルにウケるようなゲームとか、ゲームをバカにしている人が「これおもしれー!」と、思わず言ってしまうようなモノをつくるべきではないでしょうか。(今で言えば携帯電話のゲームがその傾向にあるような。)


 日常生活の中にある「発見」をゲームにつなげる

たとえば、ニンテンドーDSの『nintendogs(ニンテンドッグス)』は、犬の調教学校へ足を運んだ際に「これは犬を調教してもらっているのではなくて、犬のことを教えてもらっているんだ」(宮本)という発見ができたことに感動して「このおもしろさをどうやって伝えればいいのか?」(同)と考えたところから生まれたという。

   nintendogs 柴&フレンズ   nintendogs ダックス&フレンズ


これなんですよね。閉じこもっていても、おもしろいゲームがつくれるとは到底思えません。堀井雄二氏も以前テレビで語っていましたが、「自分で見て、聞いて、体験したものをゲームに反映させるべき」という論は正しいと思います。だからこそ、インドア派ばかりではなく、ガチガチのアウトドア派の人を開発に入れて、意見を聞いてみるというのも手ではないでしょうか。




ゲームの本質的な楽しさ、おもしろさというのは個人によって違うものです。つくる側もそうではないでしょうか。頭の良い人が、必ずおもしろいゲームを生みだすとは限らない。昔のゲーム業界は、「アウトロー」そのものでした。いまの業界にも「アウトロー」が圧倒的に足りないと思います。

ハッタリをかましまくるのも良いでしょう。「今度のゲームは300万本売りますから!」と言ってのけるぐらいの人材が必要だと思うのです。

「おりこうさん」ばかりになってしまって、「アウトロー」が少なくなったことがゲームのおもしろさにも反映されてしまったのかなと思います。最後に、いまの業界には 飯野賢治氏のような人が足りないと思います。

飯野氏の逸話

『風のリグレット』を酷評した「ファミ通」のクロスレビューを批判し「このゲームを評価するなら10点満点か評価不能のどちらかにしろ」と発言、ファミ通編集部と対立した。発言のニュアンスとしては、「ゲームの評価は極端にハマる人もいれば極端に合わない人もいる。このジャンルが極端に合う価値観の人だっているはずであり、そういう人にこのレビュー方式では面白さを伝えられない。」という意味である。


宮本茂氏と養老孟司が対談――ゲームの根源的なおもしろさとクリエイティブを語る - ファミ通.com



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